「みなとも」と名乗りますが、パラケインの問合せです。とお伝えください。0567-55-8253
デモンストレーション・説明会について
Paracaneではご購入を前向きに検討いただいている施設様に限り、デモ・説明会のご依頼を受け付けております。
リハ医・理学療法士・作業療法士・義肢装具士向けの製品説明から、患者さまも交えた試用会までご希望に合わせたご提案が可能です。
お気軽にお問合せください。
シュポーン株式会社Paracane事業部
平日10:00~17:00
0567-55-8253
お問合せフォーム
お申込みの流れ
お問合せフォームに必要な情報をご記入いただくようお願いします。
まずはご予算や施設さまの希望に合わせてお見積のご提出をいたします。
前向きに導入を検討いただける場合はデモ機の設置期間や説明会の日時などを決定します。
リハビリ室全体を対象としたプレゼンテーションや、少人数での意見交換会など、貴施設の要望に応じた形態を提案させていただきます。
Paracaneの機能概要、最新の学術的知見、操作方法、患者さんへの指導方法等について説明いたします。
現地・オンラインなどご希望に合わせてご対応いたします。
デモ期間終了後に正式にご注文をお願いいたします。納品までのスケジュールをご提案します。
Paracane導入施設同士の交流会やセミナー開催など、ご案内しております。
デモンストレーションの一部をご紹介
講義・使い方説明会
杖のバイオメカニクスやParacaneの効果などをお伝えいたします。
実際にParacaneに触れていただき、使用感や指導方法の確認をしていただくことも可能です。
患者さまも交えた試用会
Paracaneにご関心のある患者さまも交えて使い方や効果についてお伝えしております。
また歩行パターンに合わせた杖の選定方法や指導方法について実演も交えた試用会も可能です。
オンライン説明会
遠方の施設さまなど短時間での説明をご希望される施設さまはオンラインでの説明会も可能です。
後日学習が可能な研修動画の配布を行なっております。
記事etc(随時更新中)
3分でわかる!Paracane Movie
Paracaneが生まれた理由
Paracaneの開発は、理学療法士として片麻痺の患者さまを担当していたときに直面した、深刻な問題から始まりました。ある患者さまが、杖に頼りすぎた歩行によって、健常な手を痛めてしまい、結果的に両手が使えなくなるという状況に陥りました。このような事態を目の当たりにし、私たちはこの問題を根本的に解決するための道具の開発に着手しました。
まず、片麻痺の方々にとって杖は、文字通り「第3の足」とも言える大切な道具です。しかし、何十年もの間、そのデザインには大きな変化がありませんでした。さらに、人の歩き方から逆算して設計された開発手法が採られていないという現実にも気づきました。
片麻痺のある方の約30~60%が、杖を使用することで手に痛みや痺れを感じたことがあるにもかかわらず、これまでの解決策は緩衝材を追加する程度の表面的なものでしかありませんでした。また、片麻痺の方々は健常者とは異なる歩き方をしているため、他者からの視線を強く意識し、自分がマイノリティであると感じることも少なくありません。
これらの課題を解決するために、私たちは片麻痺のある方の異常歩行を改善することを目的とした「歩行支援具」のデザインに取り組みました。
Paracaneは、片麻痺のある方が自信を持って歩けるようになるだけでなく、手の二次障害を予防し、より自然な歩行をサポートすることを目指して開発されました。
Product Movie「Model.Three Part」
Product Movie「Model.Spiral」
共同研究・事業パートナー
北陸大学健康未来社会実装センター
富山リハビリテーション病院・こども支援センター
昭和大学リハビリテーション学科
専修大学 佐藤雅幸教授
創業ストーリー『2017年12月〜2023年9月』
Paracaneの始まり-2017年12月
Paracaneの物語は、2017年冬に始まります。「みなとも」という生活期の医療・福祉事業者で働く理学療法士の堺と、同社でデザイナーとして働く上野を中心に、「杖って何年も変わっていないね。」という一言がきっかけで、このプロジェクトがスタートしました。
堺と上野は、杖ユーザーが抱えるネガティブな印象について調査を始めました。その結果、「杖は持ちたくない」「邪魔になる」「使っているところを見られたくない」といった多くの声が明らかになりました。そんな中、堺が担当していた片麻痺の患者、藤井滋さんの出来事がプロジェクトを大きく前進させました。藤井さんは、杖に頼りすぎた結果、健常な手を痛め、両手が使えなくなるという問題に直面していたのです。
「藤井さんのために、特別な1本を作ろう。その1本が、多くの片麻痺の方々を救うことになる。」
このコンセプトのもと、藤井さんと共に杖作りが始まりました。
新たなコンセプト-2018年6月
開発開始から約半年後、ついにプロトタイプが完成しました。藤井さんがその杖を手にしたとき、彼はこう言いました。
「この杖は、手が痛くならないだけじゃないよ。持った瞬間に自然と体の力みが減って、姿勢が良くなる感じがする。」
この一言がきっかけで、「杖で歩行変える。」という新たなコンセプトが生まれました。しかし、杖で異常歩行を改善することが本当に可能なのか?調査を進める中で、異常歩行を改善する杖に関する文献やネット上の情報、実際の製品などがほとんど存在しないことに気づきました。誰もがこの視点に気づいていなかったのです。
藤井さんの「姿勢が良くなる感じがする」という言葉は、堺にとって非常に有意義なものでしたが、なぜ姿勢が良くなるのか、そのメカニズムは依然として不明でした。そしてこのタイミングで応募したとあるビジネスコンテストにて、審査員から次のような一言を受けました。
「姿勢が良くなるだけ?」
片麻痺の方々にとって姿勢の改善は非常に重要なことですが、それがリハビリに従事しない人々には理解されず、重要視されなかったのです。
片麻痺者の課題探し-2019年1月
「片麻痺者にとっての本当の困りごとは何だろう?」
堺と上野は、この問いの答えを探るため、全国の片麻痺のある方々にインタビューを行う旅に出ました。その旅の中で出会ったのが、現在片麻痺YouTuberとして活躍する百武桃香さん(momoちゃん)です。
百武さんは17歳で片麻痺となり、「杖は自分のファッションを台無しにしてしまう。写真に映るときも、杖が映らないようにしている。」という不満を抱えていました。同時に、彼女は「杖が片麻痺者にとってなくてはならない道具であり、安全性や使いやすさも重視している」ことを教えてくれました。さらに多くの片麻痺のある方々に出会う中で、堺と上野は一つの課題に行き着きます。
「片麻痺者にとって傾いた歩行を補正する杖は、杖の副作用をなくすのではないか?」
ここで言う「杖の副作用」とは、身体的な二次障害や、杖を隠したくなる心境、杖を持つことで他人から注目されることなど、社会的・心理的な二次障害を指します。堺と上野は、これらの副作用を改善するための杖の可能性を探り、片麻痺者に対して「歩行が改善する杖があったらほしいか?」というアンケートを実施しました。その結果、90%の方が「ほしい」と答えたのです。
この結果により、堺と上野は
「杖で歩行を変える」というコンセプトの商品が、多くの片麻痺の方々に求められていると確信しました。
・この杖が完成すれば、手への過剰な負担を強いた歩行から、自分の足で歩く歩行につながり、結果として手への負荷が減る。
・歩行が改善されることで、自信を取り戻し、周囲の目を気にしなくなる。
・さらには歩き方の変化は気持ちの変化だけでなく、行動の変化をも引き起こし、もっと外に出たいという前向きな意識を生むことができると考えたのでした。
運命的な再会-2019年7月
Paracaneの開発者の一人である理学療法士の小桑は、学生時代に「みなとも」(堺と上野が働く医療・福祉施設)でアルバイトをしていた頃、堺と出会いました。当時、堺はみなともで理学療法士として臨床に従事しており、これが二人の最初の出会いです。
小桑はその後、総合病院での勤務を経て藤田医科大学病院に就職し、同大学院に進学しました。そこで彼は、歩行やバイオメカニクスについて臨床や研究を通じてスキルを磨いていきました。
ある日、堺が偶然参加した藤田医科大学主催の研修会で、小桑と再会しました。堺が杖の開発をしていることを聞いた小桑は強い興味を持ち、杖の開発に取り組むことを決意しました。
小桑による課題の明文化-2021年7月
大学院卒業後、小桑は藤田医科大学病院を退職し、杖の開発をするためにみなともに入職しました。
堺と上野は、行動力を武器に開発を進めていましたが、科学的な視点が不足しており、杖で姿勢が良くなる理由や、具体的にどんな異常歩行を改善するのか明文化されていませんでした。
小桑がチームに加わったことで、片麻痺者の異常歩行を細分化し、どのようにして異常歩行を改善するのかを明確にすることができました。「杖で歩行を変える」という漠然としたコンセプトから、具体的に何を改善する杖なのかが明確化され、作るべきものがより明確になっていきました。
技術の壁-2021年12月
作るものが明確となったことで、設計図や仕様書も明確となり、製造者とのやり取りもスムーズになりました。
しかし、実際に目的とする形が製造できるかは別問題でした。製造経験のなかった私たちは、独学と様々な業者との出会いを通じて知識を得ていきましたが、そのハードルは想像以上に高いものでした。
設計図通りの寸法で作ることができなかったり、許容範囲を設けて作ってみると、今度は歩行改善がなされなかったりと、製造可能な設計と歩行改善可能な設計がイコールではなかったのです。
何度も試行錯誤が続き、積み上がるのは開発費ばかりで、最も心が折れかけた時期でもありました。
一か八かの賭け-2022年3月
依然として目的とする形が再現できない状態が1年以上続いていました。
所属会社の社長からは「今年いっぱいで杖の開発は終了」との雰囲気が漂い、社内からも厳しい視線が突き刺さる日々でした。
もう「一か八かの賭けに出よう。」
堺は決意を固め、これでできなければこの事業は諦める覚悟で最終試作に臨みました。
すると、今まで作れなかった形が奇跡的に完成しました。
それも、ほぼ2モデルが同時にでき上がったのです。なぜできたのかは正確に説明できませんが、トライアンドエラーを繰り返した結果、理想の形を作る体制が整ったのです。
上野の辞任-2022年3月
上野は杖の開発と並行して、高齢者や障害者の方の外出や旅行を支援する事業にもチャレンジしていました。(サービス名:ODEKAKE)しかしParacaneの理想の形ができたタイミングで、両事業の両立が困難になり、このプロジェクトから辞任することとなりました。
デザイナーがチームからいなくなることは痛手でしたが、上野から得たスキルは堺や小桑の考え方に大きく影響を与えました。
装飾などの表面的なデザインではなく、未来を想像し、本質的な問題を見極め、明確な課題とその解決策を見出すというプロセスそのものがデザインであることを強く意識して仕事を進めるようになりました。
PS:上野が辞任してからも私たちとの関わりは続いています。ODEKAKEに参加される方にParacaneを使っていただくことで長距離の徒歩移動が楽になったり、「こんなスタイリッシュな杖なら旅行先でも気分が上がるわ。」といったお声をいただくなどODEKAKEならではの使い方をしています。
Model.Spiral・Model.Three Partを初めて持つ-2022年4月
完成したモデルを藤井さんや百武さんをはじめ片麻痺のある方々に持ってもらいました。
反応は予想通りで、小桑が事前に想定していた症状に一致する方が持つと、2週間ほどで明らかに歩行が改善されました。姿勢の変化や歩幅の変化が見られ、モニターさまからも「最初は慣れるまで時間がかかるが、慣れると非常に歩きやすい」と好評をいただきました。
一方で、「ストラップを付けるところが欲しい」「杖掛けが欲しい」など、利便性に関する改善の要望もありました。歩行改善だけを目指して作ってきたため、日常生活で使う際の不便さが浮き彫りになったのです。これらの声に耳を傾け、本当に必要なものを見定めながら、マイナーチェンジを繰り返し、改善活動を丁寧に進めていきました。
初めての実証実験-2022年7月
名古屋市工業研究所と協力し、ついに杖の効果を検証する研究を開始することができました。
全国から生活期の片麻痺のある方々を募集し、北は青森から南は鹿児島まで、多くの方々が研究に協力したいと連絡をくださいました。
この時、「杖という道具が片麻痺のある方々の歩行に与える影響がどれほど大きいか」を改めて実感し、杖が「自分の足と同じぐらい大切なものであること」を強く感じた瞬間でした。
ついに同時リリース 2022年12月
実証実験が終わり、目標としていた基準をクリアした杖たちを初めて一般のユーザー様にお届けできるようになりました。
私たちが大切にしたのは、ご自身に合う方にしか提供しないこと。カーボンという高額な素材を使っているため、価格は10万円を超えてしまいます。一般的な杖の10倍以上の高額製品だからこそ、絶対に自信を持ってオススメできる方にしか提供しない体制にしました。
そのために歩行動画を送っていただいたり、丁寧なヒアリングをした上で合う方にのみ提供することにしました。一方で、このポリシーを定めたがために、合わない方にその旨を伝えることは非常に残念な思いをさせてしまうことも痛感しました。Paracaneに期待して問い合わせをしたにも関わらず、「自分には合わない」と言われることは非常に酷であると。
私たちはこの経験をもとに、提供できなかった方々にも合った杖を作ることを改めて目標としました。
第39回東海北陸理学療法学術大会-2023年9月
実証実験の結果を発表する場として、いくつかのリハビリテーション関係の学会で発表することになりました。そのひとつ、第39回東海北陸理学療法学術大会にて、なんと大会長賞をいただくことができました。このような賞をいただけたことに感謝するとともに、さらなる杖の開発に力を入れていこうと思いました。
また、この学会で北陸大学健康未来社会センターの大畑光司教授と出会いました。私たちの発表にてコメンテーターをしていた大畑先生より、「杖で歩行を変えることの着眼点」などお褒めの言葉をいただきました。これがきっかけとなり、後に北陸大学と学術指導契約を結ぶことになり、大畑先生のバイオメカニクスや神経理学療法学の知見がParacaneに加わることとなりました。
2023年10月以降-
更新予定
弊社主催・共催セミナー
2024年9月29日
第22回日本神経理学療法学会学術大会ランチョンセミナーにて杖について深く考える機会を提供いたします。
杖という身近な道具を力学的な視点から歩行にどのような影響を及ぼしているのか、4点杖や1本杖が当たり前のように選択されていますが、どのような作用を与えているのか。
改めて考える機会となれば幸いです。
演題:脳卒中片麻痺者の歩行再建~杖からのアプローチ~
司会:宝塚リハビリテーション病院中谷知生
演者:北陸大学健康未来社会実装センター大畑光司
演者:シュポーン株式会社 小桑隆
開催済 2024年7月19日
「杖って何十年も大きく変わっていない」という一言から始まった杖 「Paracane」
杖は障がいを持つ人々の歩行を支える重要な道具ですが進化には乏しく、また杖の使用方法や歩行への影響に焦点を当てた研究も限られています。
この現状に対して 北陸大学の大畑光司教授Paracane開発事業部の小桑隆が 「杖と歩行再建」についての講演を行いました。
リハビリテーション従事者に限定してアーカイブ版を配信しております。
希望の方はお問合せフォームよりご連絡ください。個人情報及び未公開情報を含むため、秘密保持の同意及び希望者様の個人情報の取得させていただきます。
同業他社の方はご遠慮ください。
申込フォーム
運営会社
法人名:シュポーン株式会社
Paracane事業部サイト:https://paracane.syupoon.net/
電話番号:0567-55-8253(平日10:00-17:00)
所在地:愛知県弥富市鯏浦町西前新田43